
日本半導体製造装置協会が需要予測を発表
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2026年度から2028年度までの半導体およびFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の需要予測をまとめた。AIサーバー向けを中心とした先端半導体需要の旺盛な伸びを背景に、製造装置市場は中期的に高い成長を維持する見通しだ。
部品加工や装置向けの板金加工などを手がける中小製造業にとっても、堅調な受注環境が続く可能性を示唆している。ただし、装置種別やメーカーによってバラツキがあることと、装置の販売統計と部品生産の仕事量のギャップが大きいことには留意する必要がある。
AI需要が牽引し大幅上方修正
半導体製造装置の2026年度における日本製装置販売高は、前年度比26%増の6兆5,502億円と予測された。生成AIの普及に伴うAIサーバー向けの先端ロジック投資に加え、高帯域幅メモリー(HBM)を中心としたDRAM投資の大幅な増加が市場を牽引する。
続く2027年度も新規ファブ(半導体工場)の建屋が順次完成し、装置の搬入環境が整うことから、同13%増の7兆4,017億円を計画。2028年度も5%増の7兆7,718億円と予測し、高水準な投資が継続するとみている。これらの予測値は、同年1月時点の発表から大幅な上方修正となった。
国内市場においても同様の傾向が見られる。2026年度は車載・パワー半導体向け投資こそ伸び悩むものの、2nmロジック半導体の量産準備やDRAMの先端投資が寄与し、10%増の1兆5,835億円となる見込みだ。さらに2028年度には大手ファウンドリーの第二期投資や2nmの量産体制整備が重なり、市場規模は初めて2兆円を突破する予測(2兆2,763億円)となっている。
技術面では、GAA(ゲート・オール・アラウンド)構造の進化や裏面電源供給(BSPDN)の採用、DRAMの微細化、NANDの高積層化といった前工程の進化に加え、ハイブリッドボンディングに代表される先進パッケージング技術(2.5D/3D実装)への投資が拡大している。これらの高度な装置に対応するための部品製造や精密加工への要求は高まり続けるとみられる。
需要予測
SEAJが発表した販売高予測の具体的な推移は以下のとおり。
| 項目(日本製装置販売高) | 2025年度(実績見込) | 2026年度(予測) | 2027年度(予測) | 2028年度(予測) |
| 半導体製造装置 | 5兆1,986億円 | 6兆5,502億円 (前年比 +26.0%) | 7兆4,017億円 (前年比 +13.0%) | 7兆7,718億円 (前年比 +5.0%) |
| FPD製造装置 | 3,596億円 | 3,416億円 (前年比 -5.0%) | 3,314億円 (前年比 -3.0%) | 4,209億円 (前年比 +27.0%) |
| 合計 | 5兆5,582億円 | 6兆8,918億円 (前年比 +24.0%) | 7兆7,331億円 (前年比 +12.2%) | 8兆1,927億円 (前年比 +5.9%) |
中小の金属加工・板金加工業においては、半導体製造装置向けの旺盛な需要をいかに取り込むかが、今後の受注安定化のカギとなりそうだ。
